雨の日の合間。気持ちの良いお天気の今日。
早起きして世田谷の五島美術館に行ってまいりました。
ひつじさんを手なずけに…( ´ ▽ ` )
なんて冗談はさておき。
五島美術館のお茶室で春のお茶会。
東京の桜は綺麗に散っているところですが、
お席では吉野の桜をたずねるような趣向でお客さまをお迎え。
お菓子はお花見団子です。ふふふっ
※写真はお稽古のときのもの。棚は吉野棚、炉縁は桜花びら。
恐れ多くも、お亭主を仰せつかった今回。(外では初!でした)
お道具のこと、ひとつひとつの動きのこと、お席での対話や間合い。改めて真剣に考えて学べる有難い機会でした。
お茶って、正しく間違わずに型通りにお点前をこなす事や、高価なお道具を愛でる事より大切なことがきっとあって・・・。
(もちろんきちんとする事は大切だし、お道具を味わうことも愉しみなのだけれど。)
「今、このとき」を、
どんな風に味わいたいか、どうしたら愉しんでもらえるかな?喜んでもらえるかな?って想像を膨らませて、場のストーリーや演出を考えたり、場の息遣いや様子からお相手を慮ること、喜んで貰えたときのホッとした気持ちやこちらまで嬉しくなる感覚が何よりの醍醐味なんだと改めて感じた。
お茶の場にいると、主客どちら側にいても、「気づくこと」、「感じる事」の面白みを実感することがたくさんある。
心の解像度を高めることの面白さ。
お茶人さんは、さりげない。
とても自然で気付かないようなところにも考え抜かれた配慮や思いやりがあったり、季節やテーマに合わせて静かにそっと飾られたものに意味があったり。
上善は水のごとしではないけれど、あまりに自然に心地よすぎて、こちらが意識しないと見逃してしまうもてなしや面白みがそこここにある。
そっと支えられる気遣いに気付いて感じ入ったり、目に見えるもの以外にも味や香り、温度や音で感じたり、歴史や文学、美術の知を深めることで趣向の奥深さに気付けたり「あ、ここが繋がってるんだ!」なんて、関連性に気付けてより場を愉しめたり。
今日も、先生や先輩方、私のつたない亭主を優しく見守ってくださるお客さまがたの様子からたくさん教えていただいた。
今はまだ、誰かにしてもらったことにやっとこさ気付いてハッとしたり、教わったことに「ほぇ〜」とか「なるほどなぁ」とただただ感じ入ることしか出来ないけれど、心を磨く、智を磨くこと、もっと励みたいなと思う。
お茶の時でなくても、その時の自分が出来得る限りのことでその場にいるお相手と気持ちよく愉しい時間を過ごせる人間でありたい。
とても学びの多い一日でありました。
きっと、出来ている人たちには、当たり前すぎることかもしれないけれど、覚えておきたい気持ちだなと思ったので、備忘録に。

コンテンツディレクション、文筆。工芸、古典芸能など暮らしや日本文化に関することを中心に、講座やイベントの企画・ディレクション、取材・執筆をしています。和樂web(小学館)、サントリー、中川政七商店、NewsPicks NewSchoolなどでお仕事中。夜の散歩、のんびり美術鑑賞、お茶の時間、動物が好き。