小さい頃。
姉のような叔母が、お誕生日やクリスマスにひとつずつ贈ってくれる小さな箱がとても楽しみだった。
小箱には、親指半分くらいの大きさのキラキラと輝くミニチュアが入っている。
精巧に作られたそれらをいろんな角度から眺めて心躍らせた。
子供向けじゃない、ちょっと大人な気持ちになれた思い出のプレゼント。
大切すぎて、包装紙もそのままに残していた。(それをさらに箱に入れて保存していて幼い自分のお宝への思いがにじみ出ていてちょっと恥ずかしい。)
先日、実家に置いてあったそれを母が見つけて、アクリルの箱に入れて飾ってくれていた。
久々の対面。改めてじっくり眺めた。
写真中央の小さなメリーゴーランドは一番のお気に入りだったもの。
右の蓄音機は、なんと針の所が動いてレコードに自分で乗せられる!
他には(ラインナップが謎なんだけれど)、家電や動物、楽器に食べ物などどれもフォルムが美しくて細かくって魅入ってしまう。
大人になってから、スワロフスキーのクリスタルメモリーズというシリーズである事を知った。
私は、今でも小さい物や細かい細工がされている物を見ると心が躍る。
それから、誰かのためにプレゼントを選ぶのも、もちろん気持ちを送られるのも大好きで、大切にしたいと思っている。
贈られたときのときめきや贈る時のワクワク感、愛情。贈り物の持つ力や思い。
こういう記憶が今の自分の感性や価値観を育ててくれてるんだなと感じる出来事だった。

コンテンツディレクション、文筆。工芸、古典芸能など暮らしや日本文化に関することを中心に、講座やイベントの企画・ディレクション、取材・執筆をしています。和樂web(小学館)、サントリー、中川政七商店、NewsPicks NewSchoolなどでお仕事中。夜の散歩、のんびり美術鑑賞、お茶の時間、動物が好き。