すこし時間が経ってしまったのですが、10月に着物のリメイクを手がけるデザイナーの加藤ひろみさんが主催する「布で遊ぶ」展にお邪魔しました。
片倉シルク記念館での開催。
見事に織られたシルク生地でオーダーメイドのお洋服を作る感覚でデザインされた作品たち。
自然に纏えるスタイリッシュな姿でした。
加藤さんと出会ったのは、寄居の染織工房にお邪魔したときのこと。
(その時の記事はこちら⇒「受け継いでいきたい、いのちあるもの」)
社長の吉田さんのご紹介で、古民家のリノベーションをされていらっしゃるところにお邪魔してお会いすることが出来ました。
着物への「もったいない」の思いなど共感し合えることが多く、またとても素敵なお人柄と魅力的な活動に、一度お会いしただけでしたがすっかりファンになってしまいました。
その時にお誘い頂いたのが今回の展示会。
今回の企画では、加藤さんの着物リメイク教室の生徒さんたちの作品が色鮮やかにたくさん展示されていました。
そしてその場で実際に購入することも♬
展示されている作品については、作った方ご本人や周りの方から、生地について、着こなし方についてなど詳しく教えて頂けます。
みなさん、実際に作った作品を素敵に着こなしていらして、作る事もそうして生まれ変わった服を纏うこともとても楽しんでいらっしゃる様子がこちらにすごく伝わってきました。
こちらは、絞りの端切を合わせて作られたエプロン。(なんてお贅沢♡)
着物の裁断ってとても面白くて、直線で裁っていくので反物に使わない隙間が出来ず無駄がない。
そして、一度作った着物もほどくと元の反物に戻すことが出来るのです。
(このことを生かして、染め直しや仕立て直しも可能です)
元々は大手アパレルブランドでデザイナーをされていた加藤さん。
加藤さんが引くパターンはお洋服のデザイン性でもとても魅力的。
「着物から作りました感」が全面に醸し出されたリメイクにあまり魅力を感じないのは私だけではないはず。
物を大切にしたい思いや、使い続けたい思い、単純に「もったいない!」と思う「きもち」の部分と、素敵に洋服を「着こなしたい」というファッションへの意識の両方を見事に叶えてくれるところが重要であるように感じました。
私も2着ほど購入させて頂きました。
(シルクの心地よさとカジュアルにも少しフォーマルにも使えそうなデザインに惹かれました)
着物は、和服の状態より、洋服にしてしまった方が、サイズ調整やトレンドデザインなどの要因もあり、受け継ぎにくく、服としての寿命が縮んでしまうという一面もあります。
しかし、着方がわからなかったり、大切にしすぎてとっておくだけになってしまっても箪笥の肥になるばかりで、かえってもったいないことをしていますよね。
現在「着物」と呼ばれている和服も時代とともに移り変わってきたもの。
生地の持つ良さを、今様に楽しみながらアレンジしていくことこそ、着物を愉しんでいくことなのかなと改めて教えて頂ける機会となりました。
大切に受け継いできたものを生かしながら、楽しんでいきたいものですね。
私も、これまでの着物を今世に日常で楽しむことを伝えることに加え、着物を生かす方法に着いても模索しながらお伝えしていきたいと考えています。
加藤さんとも一緒に企画を考えておりますので、またこちらでご紹介させて頂ければと思います。
徐々に気温が下がってきて、着物が思いっきり愉しめる季節となりました。
今期も着物を着てのお出かけ企画なども決まってきてるのでとても楽しみです。
この心地よさ、もっと広めていきたいと思います!

コンテンツディレクション、文筆。工芸、古典芸能など暮らしや日本文化に関することを中心に、講座やイベントの企画・ディレクション、取材・執筆をしています。和樂web(小学館)、サントリー、中川政七商店、NewsPicks NewSchoolなどでお仕事中。夜の散歩、のんびり美術鑑賞、お茶の時間、動物が好き。