“醜い自分”に向き合っているか 「傷口から人生」を読んで。

小野美由紀さんの「傷口から人生。 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった (幻冬舎文庫)」を読んだ。

以前から小野さんの文章が好きで、コラムやインタビュー記事、ブログなど小野さんの文章を見つけては読んでいた。

今回の初エッセイの発売もとても楽しみにしていて、予約して発売日にいそいそと書店で受け取ってそのまま電車の中で読み始めた。

が、なかなか読みすすめられなくて数日たってやっと読み終えることができた。

きっとたくさん考えて考えて選ばれた言葉で紡がれる文章は、とてもなめらかで読みやすく美しい。
心地よく心に入ってくるのだけれど、内容が胸に突き刺さりすぎて逐一反芻して留まってしまう。そんな感じだった。

電車の中でちょっと嗚咽を漏らしながら鼻をすすり、もう外ではこれ以上無理だと思って夜中や家族の居ない間にちょっとずつ読んだ。

「なんでこんなに小野さんの文章が好きなんだろう?」
今までよくわからずモンヤリとしていたけれど、今回ちょっとだけわかった気がする。

向き合うことを諦めない。

小野さんはそんな人なんじゃないかと思った。
だから苦しいし、本気でぶつかったり、時に大変なことになる。だけど、この真っ向勝負が生きる上ですごく重要な気がした。

人と向き合うこともそうだけれど、 自分の醜い部分とどれだけ向き合えるか?の部分で、時にギクリとしながら小野さんの文章を読んでいる気がする。

生きていると、自分の嫌な部分をまざまざと目にすることがある。
嫉妬の気持ちだったり、怒りの感情だったり、どうしようもなく自己中な思いだったり。
でも(切実に)「自分がいい人間」でありたいと思うし、そう自分を信じたいと、ついついそこから目を背けてしまう。あるいは人や環境のせいにしてしまうこともある。
嫌な自分を認めたくないのだ。

だけどそこで向き合って、あがくことで先に進めるんじゃないか。
何かのせいにせず、自分の責任で自由に生きることが出来るようになるんじゃないか。

薄々感づきながらも逃げていたことと向き合うことに前向きになれる1冊だったなぁと思う。

そんなことを思っていたら、今日ご自身のブログに「誰かを恨んだり、不幸を人のせいにしないために、好きなように生きたほうがいい。」というタイトルの文章を書いておられた。

タイトル読んだだけだと「そりゃそうだ!」って思うこともあるかもしれないけれど、積極的な恨み方(アイツのせいだ!とか・・・)じゃなくても、何かを独りよがりに自粛したり諦めてしまうっていうのもこれに当たるなぁと私は受け取った。

そんな身につまされるようなことが書かれているけれど、小野さんの言葉は不思議と押し付けがましくない。
むしろ内側から勇気が沸いてくる。

「誰にどう思われるか、他人に迷惑をかけていないか、社会的にどうかなど気にせずに、ただ、すこしずつ、一個一個の不快のスイッチを、快に切り替える作業に淡々と励めばいいと思う。」
という文が沁みた。

この本のサブタイトル読むと、なかなかレジに持っていきにくいかもしれないけれど、メンヘラじゃなくても、就活中や就活に失敗した人じゃなくても、きっと今より生きやすくなるヒントや前に進む勇気がもらえる一冊だと思う。

オススメです!

 

内容紹介

過剰すぎる母、自傷、パニック障害、就活失敗、女もこじらせ気味……
問題てんこもり女子、再生なるか!?
生きる勇気が湧いてくる、強烈自伝エッセイ。

過剰に教育的な母に抑圧され、中3で不登校。
キラキラキャンパスライフに馴染めず大学も仮面浪人。
でも他人から見てイケてる自分でいたくて、
留学、TOEIC950点、ボランティア、インターン等々。
無敵のエントリーシートをひっさげ大企業の面接に臨んだ。
なのに、肝心なときにパニック障害に!
就活を断念し、なぜかスペイン巡礼の旅へ――。
つまずきまくり女子は、問題の本質と向き合えるのか?
衝撃と希望の人生格闘記。

内容解説は軽いタッチで書かれていますが、小野さんの文章って血肉沸き踊るところでも美しいと思う。心地よい読みやすさ。ぜひ!

小俣荘子(omata shoko)
クラシノキカク 代表 / ディレクター・コラムニスト・施術家
衣食住にまつわるコンテンツの企画・ディレクション。頭蓋矯正と深層リンパドレナージュを中心とした身体を美しく健康的に整える施術。
「心地よい暮らし」を切り口に、心と身体の双方から健やかに日々を愉しむ提案をしています。

2015-02-16 | Posted in blog, 読んだ本No Comments » 

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