クラシノキカク

客席のおばあちゃんも踊る?!「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」観てきました!

先日、チケットをプレゼントに頂いて、スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピースを観に行ってきました!

 

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会場のそこここにワンピースのイラストが使われていて、それを見つけるのも楽しい。
こちらは、幕から覗く麦わら一味♬

 

古典歌舞伎でも、ワンピース劇でもない。
ワンピースをモチーフに作られた歌舞伎。

これまで歌舞伎が積みあげてきたものと、ワンピースの持つ世界観を思いっきりマリアージュさせた一大エンターテイメント!という感じでした。

お隣の席のおばあちゃま2人が、何度もキャッキャしていて、それはストーリーに対してだったり役者さんの素敵な姿にだったり、その世界に入り込んでときめいている嬉しそうな様子がこちらにもすごく伝わってきました。

普段はお行儀良く観ているであろう客席が総立ちになって盛り上がるシーンも!
終わったあとも「楽しかったわね〜」と声をかけられたり見ず知らずのお隣同士でニコニコしながら心地よい良い疲労感とともに会場をあとにしました。

 

市川猿之助さんが「原作ファンを歌舞伎に呼び込むより、「ワンピースを(歌舞伎ファンに)啓蒙(けいもう)したい」という姿勢で臨む。
と会見で言っていたそうなのだけれど、まさにそれが実現している場でした。

(参考)
市川猿之助がスーパー歌舞伎II「ワンピース」「常客に知ってほしい壮大な物語」 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/entertainments/news/150920/ent1509200008-n1.html

 

世界中で読まれているワンピース。作品の持つ「弱くても仲間と一緒に挑めば未来は開ける!」という思想や、冒険性って普遍的なもの。地域だけでなく世代も超えて通じ合えるものがある物語は歌舞伎作品としてぴったりだったのかも。

 

それはそうと、帰ってきて、ジャンプを愛する夫に「ワンピース歌舞伎観てきたよ」と言ったら、「えっ!ルフィもこんな感じになるの⁈」って実演?してくれたんだけど、こんな感じが全然そんな感じじゃなかた。

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妙なキメ顔(見栄)に、変なフェイスペイント(隈取り)に、やたらスローなセリフ回し!(何言ってるのかわからんっ!)みたいなのが歌舞伎のイメージなのかな。

意外と現代人にも観やすくてわかりやすい演目も多いので、今回の感想と一緒にその辺りの話も書こうかななんて思った次第です。

 

 

歌舞伎というと「古典芸能」なイメージで「難しいもの」「知的なもの」なんておカタさやハイソなイメージがある気がします。
(着物姿のマダムたちが「ホホホっ」って観に行くような・・・。実際そんな方々も目にします。)

私も実際に見るようになるまでそう思っていました。
でも最近になって思うのは、これって今で言う映画とかドラマとかライブイベント(バンドやフェス)と同じなんだなぁということ。
※一般チケットだって4000円(3階席)からあるので、バンドのライブに行くのとほんとに変わらないのです。(外タレや人気アーティストのツアーになるともっと価格が上がる物もあるから1等席18000円だって同じ感じだなって思う。それで4〜5時間愉しめちゃうんだから!)

 

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現存する最古の芝居小屋「金丸座」@香川県。
この夏、里帰りの際に訪れました。
参考記事:知恵の詰まった舞台建築 四国こんぴら歌舞伎「金丸座」
 

電気の無い時代から、床を動かしたり、空を飛んだり、思わぬ所から登場したり、客席と一体感を感じられる演出を考えたり・・・
夏に香川の金丸座で人力装置を見て、こんなに今と同じなんだ!って感激すると同時に人間の楽しみって数百年経ってもそう変わらないのかも?なんて感じました。

時事ネタを面白がったり、時代の気分を代弁したり、美しいものを魅せたり(アイドルのコンサートとかの気持ちがわかる!)、奇抜さや新しさ、なんじゃそりゃ!ってびっくりさせる仕掛けや演出。

わぁすごい!!って思ったり、キャー素敵!!って興奮したり、ストーリーに感情移入して涙したり・・。
そんな人の心に語りかけてくるのが歌舞伎の舞台なんだと思うのです。

 

※ちなみに猿之助さん、襲名披露公演で日本最古の芝居小屋「金丸座」と銀座で建替えホヤホヤの最新の歌舞伎座で同じ芝居をされています。空も飛んだそうです。同じ演出で上演出来ちゃうんですね!
「四国こんぴら歌舞伎大芝居」猿之助襲名披露公演を語る | 歌舞伎美人(かぶきびと)
http://www.kabuki-bito.jp/news/2013/01/post_714.html

 

 

スタンダードな歌舞伎の演目を観るには、言葉が古かったり、ストーリー上の価値観が時代によって違うから、そのパズルを組み合わせて納得するのにちょっと頭は使うけれど、そこは本筋ではないと思うのです。(大河ドラマを観る感じと似ている気がします。)
とはいえ、やはり言葉の壁は眠気も誘発して(私も何度寝た事か・・・)、なかなか入っていきにくい部分もあります。
個人的にお勧めなのは、セリフがわかりやすいスーパー歌舞伎や見た目の面白さが際立つ妖怪や幽霊が出てくるファンタジーなもの。
たとえば・・・

ユーモラスな妖怪がたくさん&女形の優美で艶やかな姿が美しい「天主物語」
泉鏡花の美しいセリフも見所です。

恐ろしくも切ない幽霊の恋物語「牡丹灯籠」
客席を牡丹灯籠が飛び回ったり、幻想的な演出がたくさんで観ていて飽きません。

この2つは、セリフがゆっくりすぎずわかりやすい事もあり、まったく眠らず!(笑)、最初から最後まで食い入るように観ました。
(しかも贅沢なことに、両方とも坂東玉三郎さん版でした♬玉三郎さんは本当に美しいのでぜひ観て欲しい!!)
歌舞伎に興味あるけれど・・という方は、ぜひこのあたりの演目からトライしてみてはいかがでしょうか。

ワンピースの感想を書くつもりが、かなり外枠の話が長くなってしまったので、今日はこの辺りで・・・。

次回、感想書きます!

「ワンピース」は、とにかく“ライブ感”がすごかった!(バンドのコンサートやフェスのような主客一体に盛り上がる感じ)
現代のテクノロジーと、面白いモチーフと、役者さんの技や身体能力など使える力を合わせきって作り上げられた舞台になっているところが、現代歌舞伎ならでは!という感じで面白かったです!!
(と、駆け足レビュー!)

 


 

 

 




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