先日観に行ってきた、スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース!
※前回の記事はこちら
「客席のおばあちゃんも踊る?!「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」観てきました!」
上演されたのは、「頂上戦争編(コミックス51〜60巻あたり)」
大秘宝ワンピースを探す大いなる航海の次なるステップ、新世界への入り口となるシャボンディ諸島での海軍との戦いの中で、麦わらの一味は散り散りになってしまう。一人になったルフィは兄エースの処刑宣告の知らせを聞き、救出に向かう。侵入不能の海底監獄を突破するルフィだが、エースは海軍本部に移送されてしまった後。そしてついにその海軍本部を舞台に、エースを救おうとする海賊団やルフィと、海軍との間で壮絶な決戦が繰り広げられる!!(公式特設サイトからの引用)
長い長いワンピースのストーリーをどうアレンジするのかな?と思っていたけれど、見せ場たくさんなところと、歌舞伎独特の“これ見よがしなくらいのキメのシーン作り”(いい意味で!)の親和性ってめちゃめちゃ高く感じて、むしろデフォルメされる極端さってマンガっぽい。そんな歌舞伎のコミカルさが魅力になって面白いなぁなんて思ったのでした。
ストーリーを追うところに文学の面白みを置く人には今ひとつかもしれないけれど、「魅せる」とか「シーンを味わう」っていうことを、リアルに目の前で演じる役者を通じて愉しむ事が醍醐味と思うとすごく魅力的だった。(そもそも、古典作品はじめ、歌舞伎や文楽、能楽で「ストーリーを追う」って、あんまり意味ないと思っています。もうオチまでわかってる物語を味わいにいくのだから。そんなことより観るとこ味わうとこ一杯あるやろっ!!って気がするんだよなぁ。)
このワンピース歌舞伎は、とにかく“ライブ感”がすごかった!
(バンドのコンサートやフェスのような主客一体に盛り上がる感じ)
それに加えて、現代のテクノロジーと面白いモチーフと役者の技や身体能力などなど・・・、
使える力を合わせきって作り上げきった感!みたいなのがすごく感じれる舞台だった。(っていうと何だか偉そうなのですが・・)
現代歌舞伎ならでは!という感じ!
宙乗り、本水(舞台上に滝が登場してその前で大立ち回り!客席にまで水しぶきが飛んでいました)、早替り(猿之助さん演じるルフィとハンコックが柱の周りをクルクル回りながら何度も入れ替わるのがすごかった!!)、そして大立ち回り!といった歌舞伎の見せ場の数々に、
プロジェクションマッピングをはじめとする光をつかった演出が加わって、とにかく大迫力。
荒波を感じたり、建物を破壊したり、地震を起こしたり・・光の力ってすごい。
ワンピースでは、悪魔の実を食べた登場人物たちの不思議な力が戦闘シーンでの見せ場なのだけれど、光の力でそれが見事に再現されていたり、黒子を使った演出で実現されていたり(人力でルフィの手が伸びてたっ!!)。
思わず「おぉぉぉ!!」と声が漏れるレベルに感激したのでした。
そして何と言っても、殺陣がとにかくかっこいい!
ワンピースの元気で動きのある世界と役者さんの美しい身のこなし。
役者さんの身体能力って本当にすごい。
こんなカッコでそんな動きできるの!?というしなやかな動きや、優美さ。
刀でのやり取りに加えて、各々の技(ルフィの拳やサンジのキック、悪魔の実の力など)による攻撃も美しい殺陣となっていて見惚れました。
風圧でとばされちゃったモブの兵隊の皆さんとか、1人1人飛ばされ方も違ったり(実はこっちを観ているのも楽しい)大好きです!笑
迫力&演出の見事さ、カッコ良さでは、赤犬とエースのマグマと炎の戦いが特に好きでした。
光沢感のある旗を使って炎や熱を表していて、本当に熱風を感じる気さえする。
(スターウォーズepisode3のオビ・ワンとアナキンの戦いみたいな迫力←またSWかっ!笑 ニュアンス伝わったら幸いです。)
戦うシーンが続いても飽きないのは(個人的にはマンガだと飽きる)、ダンスパフォーマンスを観ているようなその構成と動きの美しさのきっと賜物で、魅せられ続けました。
また、衣装が、和と融合しているのも素敵でした。
“着物風の衣装”って、国内外の映画や舞台でも1つのスタイルのようによく登場するけれど、難しいものなんだろうなぁと感じる事が多い気がします。どっちつかずになっちゃうと「ぽい」けれど、その経緯抜きに単体の衣装として見た時にあまり美しくない。
今回の衣装は、「洋装を和装や歌舞伎の世界に取り込んだ」という感じ。
今の日本文化に溶け込んでいる洋服と歌舞伎の世界で日々使われる和の衣装が見事に融合しているように感じて素直に美しいなぁと思いました。
両方を着こなしている方々ならではなのかな?なんて。
特に、市川門之助さん演じるつると、市川右近さん演じる白ヒゲが素敵で、本当にうっとり。眼福です。
門之助さんは、この人ほんとに男性なんだろか・・という美しさ。
洋服の上に着物をロングコートの様に羽織ったスタイル(お引きずりお姫様スタイルに近い)で、つねに裾が流れるシルエットの立ち姿と優美な所作は、ずっと観ていたい気持ちにさせられるものでした。
歌舞伎役者にホレボレする。
江戸時代に歌舞伎観てた人たちもこんな気持ちだったのかな。
展開や仕掛けはもちろんの事、色んな意味で眼にも心にも愉しい演目でした♫
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お弁当ももちろんワンピース(家族のお土産にしました!)。
食事の際に使う手ぬぐい(ハンカチより大きいので重宝しています)も指輪も海賊を意識してスカルに♬
持って帰ったお弁当。
ジャンプ好きな夫とマンガに詳しい妹が、中をみて何やら大興奮!
骨付き肉はルフィの食事のトレードマークらしく、「あの肉!」「例の!」と盛り上がっていました。
他には、こんな缶入りのグッズなども。(隈取りルフィのクッキー入り!)
舞台だけでなく、周辺の演出や遊び心まで愉しかった今回のスーパー歌舞伎。
帰ってからもにぎやかな夜を過ごしました。
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この日の着物のスタイリングは私もカブこう!(!?)と、帯留めにダースベイダーのブローチを♬
お気に入りのトランプの着物とあわせてウキウキと出かけました。
こんな感じ。
写真は幕間。
見るのにエネルギー使い過ぎて(泣いて笑って大忙し!)クタクタのワタクシでありました。
ライブ感伝わるといいな。。
一瞬で非日常感の世界に飛び込めるのは、ディズニーランドに行った時と似ている!と以前にも思ったのですが、今回のスーパー歌舞伎でも、またそれを強く感じました。
たまのおでかけに歌舞伎鑑賞。おススメです♬

コンテンツディレクション、文筆。工芸、古典芸能など暮らしや日本文化に関することを中心に、講座やイベントの企画・ディレクション、取材・執筆をしています。和樂web(小学館)、サントリー、中川政七商店、NewsPicks NewSchoolなどでお仕事中。夜の散歩、のんびり美術鑑賞、お茶の時間、動物が好き。