「建築家 フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”」アイデアの力、実現する力

会期が終わってしまう!!(2月7日まで!!)と、予定の合間をぬって駆け込むように訪れた「建築家 フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”」。

昨年11月に表参道のエスパス ルイ・ヴィトン 東京で開催されていた同氏のフォンダシオン ルイ・ヴィトン建築展に行って以来「ぜったい行きたい!」と思っていた展示でした。

過去記事:フランク・ゲーリー パリ – フォンダシオン ルイ・ヴィトン建築展 (https://maisondeomata.com/archives/3022

 

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※この企画展の解説として、AXIS Magazine「Jiku」にアート・デザインライター今村玲子さんが寄稿されている記事がわかりやすかったです。(展覧会のディレクションを担当した建築家の田根 剛氏の功績が伺えます)

(参考記事)「アイデアをいかに実現するのか、建築家が見る“巨匠”の仕事ーー「建築家 フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”」

 

 

建築家や建築の企画展って、実際の建築そのものを持って来られる訳ではないので、作品が出来上がるまでの思想や想い、プロセスを追体験しながら想像力をふくらませられる事がとても面白いところ。

とはいえ、幼い頃からシルバニアファミリーやドールハウスなど小さな建築が好きな私はジオラマや建築模型を見ても大変萌えるのですが(小さいおうち大好き!!)、今回の展示では、展示されているモノ以上に想いやプロセスに興味を持っていかれました。(企画展のコンセプトの狙い通りに!!)

 

前回のルイヴィトンの記事で、「このグニャグニャの殴り書きがどうやって建物になるの?!」と書きましたが、その間には根気強く繰り返される試行錯誤と緻密なチームプレイがあったのです。

 

たくさんの試行錯誤の跡が伺える建築模型やゲーリー自身の言葉、建築のシステムそのものをデザインした「ゲーリー・テクノロジー」という設計システムの解説映像など、その思考プロセスや思想を通して“いかにして空間を作り上げていくか”が伝わってくるようになっていて、ゲーリー氏の頭の中を覗いているような、非常に興味深い内容でした。

 

 

おうち的なものの面白さは、そのものを愛でることに留まらず、そこから暮らしにイマジネーションがふくらむこと、と思っています。

今回一番惹かれたのは、ロサンゼルスにあるゲーリーの自宅。

きっと自身の居場所を作るとき、いちばん価値観や美意識がでているはず。

 

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自宅の模型。他の作品同様に個性的な外観ですが、中はとても居心地のよさそうなゆったりとした空間が広がっています。

ゲーリー氏が建物を作るとき、まずは内装を、それから外側を作るそう。

これは、建築物(モノ)を作っているのではなく、「場(空間)」をデザインしているということなんだろうなぁ。

 

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写真で展示されていた実際の自宅キッチンの様子。柔らかい光が差し込む。
こんな場所でお料理したいなぁ。

 

ル・コルビジェの自宅にリサ・ラーソンやトーベ・ヤンソンの自邸 など、好きな人の住まいにはとりわけ魅力を感じます。きっとその人のエッセンスが凝縮されているからかな?と今回の展示を観て思いました。

 

 

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こちらはゲーリー氏のオフィスにあるオブジェや素材などが並ぶ壁。京都の龍安寺から多大なインスピレーションを受けた事も語られていました。(日本の書籍もあったり・・)

自室にある様々なものからのインスピレーションでアイデアを出し、形にしていくのだそう。

「どこに目をやってもインスピレーションは得られます」

この言葉を見て、ある作家が心の解像度の話をしていたのを思い出しました。

 

「自分の心の解像度(感性)」を磨けば、小さな事象も無限大の原稿になる。

 

ゲーリー氏の建築もそれに近いように思います。

「自分の心の解像度(感性)」を磨けば、きっと世界はもっと愉しく眩しくなる!そんな風に思ったり。

 

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展示されている模型やスケッチ、作品写真や映像とともにそこここに掲げられているゲーリー氏の言葉。(先ほどの言葉もその1つ)

建築模型も大好きだけど、今回はこの言葉の展示にもたくさん目が行きました。

 

 

 

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これはオマケですが、結構衝撃的だったコメント。

ゲーリー氏からこう問われたのは学生アルバイト。彼女は「違いがわかる」と答え、ちゃんとそれが実現できていたそう。学生アルバイトすごすぎる!!

 

そうして出来たのが、こちら!

 

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これがベルニーニのシワだそうです。(感慨深く模型を見上げる)

ちなみにこの建物、コンピュータによる緻密な計算とチームの試行錯誤によって、たった3種類のパネルでこの立体感を出しているそう。ものすごいコスト削減。(予算とスケジュールを守るのがモットーなんだって。国立競技場のニュースが気になる日本人は反応しちゃう言葉だったかも、なんて。。建築に限らず、約束を守るって大切だよねと、今日のゲーリーが教えてくれた。)

 

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エントランスに飾られた大迫力の「ルイ・ヴィトン財団」

 

今週末までで終わってしまう展示ですが、建築への興味だけでなく、「アイデアを形にする方法 」「空間や場作り」などに関心がある方には超絶オススメの企画展ですので、ぜひ!!

 

 

 

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「建築家 フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”」
http://www.2121designsight.jp/program/frank_gehry/

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会期:2015年10月16日(金)- 2016年2月7日(日)
休館日:火曜日(11月3日は開館)、年末年始(12月27日- 1月3日)
開館時間:10:00 – 19:00(入場は18:30まで)

 

世界的に活躍する建築家 フランク・ゲーリーは、世の中に衝撃を与えたビルバオ・グッゲンハイム美術館をはじめ、昨年開館しルイ・ヴィトン財団など、半世紀以上にわたり建築の慣習を覆し、世間の常識に挑戦する作品をつくり続けてきました。

見る者を圧倒し、人々の印象に深く残り続ける–その誰にも真似できない建築は、どのように生まれるのでしょうか。展覧会ディレクター 田根 剛は、ゲーリー建築の中に世界を変えることのできる「アイデアの力」を見出します。つくっては壊し、またつくり続けることで生まれる数多くの模型や、アイデアの実現に不可欠なテクノロジー、またゲーリー自身の言葉を通して、アイデアが生まれる背景や完成までのプロセス、建築家の変わらぬ信念と力強い姿勢をひもといていきます。

訪れる人々に驚きと発見と感動をもたらす建築家 フランク・ゲーリーの「アイデア」、またそれを実現しようとする彼の姿勢は、建築家や建築に携わる人のみならず、デザインやものづくりに関わる多くの人たちに、自由に発想することの歓びと挑戦し続ける勇気を与えてくれるでしょう。(http://www.2121designsight.jp/program/frank_gehry/より引用)

 

小俣荘子(omata shoko)
クラシノキカク 代表 / ディレクター・コラムニスト・施術家
衣食住にまつわるコンテンツの企画・ディレクション。頭蓋矯正と深層リンパドレナージュを中心とした身体を美しく健康的に整える施術。
「心地よい暮らし」を切り口に、心と身体の双方から健やかに日々を愉しむ提案をしています。

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