昨日の午後は、
「受け継いでいくこと」について考えさせられる時間でした。
日中は、パーソナルスタイリストの石川ともみさんと、打ち合わせ&着付けお稽古。
打ち合わせテーマは、6月・7月に開催する浴衣のワークショップ。
私が日頃実践している着ていて快適で心地よい着方(頑張って着る!はやめよう♬)と、
伝統的な魅力を発揮しながらも今様に愉しむエッセンスを加えたスタイリング。
洋服の小物など身近にあるものを活用しながら、
私たちならではの切り口で、浴衣を着こなす愉しい夏を目指します。
なんだかとても熱く語った打ち合わせ。
そして、具体的に着付けのお稽古をしながらの擦り合わせ。
熱中していて気付けばあっと言う間に数時間経過!
2人でびっくりしました。
浴衣は、洋服で言うとジーンズにTシャツといったスタイルに相当します。
カジュアルで自由度が高いので、洋服の感覚で色々遊び心を出して愉しめます。
といっても遊び心ってやり過ぎてしまうとちょっと違うものになってしまう。
このバランス感覚ってとても大切だと思うのです。
せっかく着るなら、和服ならではの品のある美しさを大切にしながら、
現代の洋服的な要素を掛け合わせていくような。。
上品に自分らしく愉しめたら、いつもとちょっと違う自分にも出会えて素敵だなと思っていました。
どんな風にどれくらい遊び心を掛け合わせていくのか?を、
お洋服のプロである石川さんと深くお話出来たのですごく刺激になりました。
とっても納得のいく形で構想が練れましたので、
当日ご参加のみなさま、どうぞお愉しみになさってください♬
浴衣の起源は平安時代の「湯帷子(ゆかたびら)」と言われています。
元々は貴族の湯浴みの際の衣だったものが、
庶民のものとなり少しずつ変化しながら現代に受け継がれてきました。
伝統を大切に・・・なんてかしこまってしまうと遠いものに感じてしまいますが、
その時代その時代の活用のされ方、愛され方をしてきたもの。
現代は現代で、受け取ったバトン(浴衣)を自分たちらしく愉しんで進化させていけばいいと思うのです。
浴衣に限らずですが、そうして私たちも過去から未来へ受け継いでいきたいですね。
そして夜は、築100年の古民家「かまじいの家」にお邪魔してきました。
シェアハウスとして今も使われている場所で、住人の皆さんもとても素敵な方々なのです。
耐震構造の問題で、残念ながら取り壊すことが決まったそうで、
今回はお引っ越し前に整理されているアンティーク着物を譲って頂きに伺いました。
ちょうど2年前の今頃にはじめて訪れたかまじいの家。
その時とは、住人の方々も入れ替わっていらっしゃるのですが、
場も人も変わらず暖かく、居心地が良くてついつい長居してしまいました。
夏休みに田舎のおばあちゃんの家に遊びに行ったような安心感や暖かさ。
このおうちは無くなってしまいますが、
住人の皆さんと「またお会いしましょう」と約束して帰ってきました。
この暖かい場を共有できたことはずっと残るんだろうな。
最後の写真は、かまじいの床の間の前で住人の方に撮って頂いたもの。
母のたんすで見つけて以来、柄がとても気に入ってずっと着てみたいと思っていた単衣の銘仙。
やっと着られる季節になり、借りて出掛けました。
かなり古い物ですが、今なお新鮮に捉えられる不思議な魅力。
昨日お会いした方々(若者)にもたくさん可愛い!と言って頂けて、
ウン十年ぶりの外の空気を吸ったこの子も嬉しそうでした。
大切に着ていこう。

コンテンツディレクション、文筆。工芸、古典芸能など暮らしや日本文化に関することを中心に、講座やイベントの企画・ディレクション、取材・執筆をしています。和樂web(小学館)、サントリー、中川政七商店、NewsPicks NewSchoolなどでお仕事中。夜の散歩、のんびり美術鑑賞、お茶の時間、動物が好き。