受け継いでいきたい、いのちあるもの。染織工房を訪ねて

7月にお誘い頂いたヨットセーリングのパーティの際、素敵なご縁をたくさん頂くことが出来ました。

先日、その時にご縁をいただいた染織工房「きぬのいえ」の社長・吉田さんに本社工房を見学させて頂いてきました。


場所は、埼玉県の寄居。
この日は横浜の自宅から車で向かいましたが、東京から電車1本ですぐに行ける場所にこんなに豊かな自然資源と、伝統技術を受け継ぐ場所があることにまず驚きました。
思いのほかクリエイターさんがお住まいなのも納得です。(印象的でした)

百貨店向けの商品なども作られている工房。
ストールや洋服、雑貨など染織技術を生かした多様な商品。
商品開発のお話を伺いつつ、異なる繭玉を使って織られた生地や様々な染めの生地を実際に手に取って風合いや色合いを拝見できてとても勉強になりました。

 


実際の染織の他、型染めの台や道具も見せて頂きました。
こちらは手ぬぐいのシルクスクリーン。

 

こちらは、今はもう作られていない貴重な伊勢崎銘仙の反物。

お話の流れで、銘仙(着物生地の1つです)にも話が及びました。
(秩父が近いこの場所。秩父銘仙は有名な生地なので。)
大正時代に一世風靡した銘仙は当時の女性達のおしゃれな普段着。
(戦後(昭和)にも一時期盛り上がりました)
すごくビビットだったりモダンだったり、とても面白くて大好きなのですが、今では技術自体希少になり生産もグッと少なくなり既に絶えてしまったものも多くあります。

商品開発をしている間に絶えてしまうものものも目の当たりにしました。
早く守り立てないと失ってしまう切実な危機感も覚えます。

この日は、工房だけでなく近くにあるリノベーション中の古民家を拝見して意見交換させていただいたり、伝統工芸や着物リメイクに携わるクリエーターさんともお引き合わせ頂き、新たな企画のお話をさせていただいたり。
とても充実した時間となりました。

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私が着物の活動を始めたきっかけは2つの「もったいない」でした。

1つは、
「着物を着ることへのハードルが実際より高くイメージされていること」へのもったいない。
(実際は自分に合う着方さえわかれば心地よいものだし、思いのほか身近に愉しめるものなので、もっと色んな人に愉しんでもらいたい!)

そしてもう1つは、
「失われていく技術や、知らず知らずに捨てられていく箪笥に眠った着物たち」という物理的に失われていく物そのものへのもったいない。
(シュリンクしている市場なので年々職人さんも減っていて作れない物が増えていること、おうちにある素敵な着物が相続の時に捨てられてしまったりしていること、生かし方を提案していきたい)
自分で発信することで、着物について興味を持ってくださる方からご連絡を頂けたり、ワークショップの企画にお誘い頂けたりと、少しずつですが着物について広めていくことの一端に携わる機会を頂けるようになってきましたが、やはり1人で出来ることには限界を感じていました。

今回、工房見学やクリエイターさんにお引き合わせ頂いたことで、思いを同じくする方々とお話出来たことは大きな収穫でした。

着物に限らずですが、丁寧に作られた物には生命が宿っていると思うのです。
漆や茶器のように使うほどに魅力や味わいが増すものや、着物のように代々思いと共に後世に受け継ぐことの出来るもの。
それを愉しめる日本人の感性ってすごく素敵だなぁと思うし、大切にして生きていきたいなぁと思っています。

生かし方を知らないだけで、身近で埋もれてしまっている物ってたくさんある。
それに気付くこと、生活に取り入れることの愉しさや心地よさを知るきっかけ作りがしたい。

そのためには自分自身の物を見る目も高めないといけないし、まだまだ課題は山積みですが、色んな方と協力することで出来ることがたくさんある!そう実感することができました。
既にそういった活動をされている先輩方のお話ももっと聞きにいこう。

この日お会いした方々とお話していて、着物のリメイクについてのアイデアや、作家さんの技術を教わることで解決出来ることや、現代人が今様に伝統文化(今回は着物周辺のこと)を身近に取り入れられる可能性をたくさん感じることができました。

こうして、同じ思いを持つ方々と繋がらせて頂くことで、違ったアプローチで発信をしていくことが出来そうです。

来月は、今回お引き合わせ頂いた服飾デザイナーの加藤ひろみさんの主催する着物リメイクの作品展に伺う予定です。
加藤さんに技術を教わった方々(元々服飾関係者でない初心者からスタートされた方々)が、今様に着物を生活に取り入れて愉しんでいらっしゃるところを取材させて頂いてきます!

輪を広げていけたらいいな。

新たな企画のお話も出来たので、早くお伝え出来るように進めていきたいと思います!

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昼食は自然処「玉井屋」さんにて頂きました。

写真は酒粕のブランマンジェ。
酒蔵をギャラリーとお食事処にリノベーションされたお店。
地元で採れた無農薬野菜と、美味しいお水から作られるお酒はどれも美味しい物ばかり。
とれたてのお野菜で作られた前菜はブッフェ形式で好きなだけ取ることが出来て、女心(?!)を鷲掴みにされました。笑

蔵を改装したギャラリーでは、イベントや作品展示など可能。
高い天井と、雰囲気のある空間が作品を引き立てていました。

最後に「きぬのいえ」のみなさんと。
右から、社長の吉田さん、先代のお父様、染織クリエイターの井澤さん。

1日大変お世話になりました。貴重なお時間をありがとうございました!

小俣荘子(omata shoko)
クラシノキカク 代表 / ディレクター・コラムニスト・施術家 衣食住にまつわるコンテンツの企画・ディレクション。頭蓋矯正と深層リンパドレナージュを中心とした身体を美しく健康的に整える施術。 「心地よい暮らし」を切り口に、心と身体の双方から健やかに日々を愉しむ提案をしています。

2014-09-03 | Posted in blog, 着物・浴衣, 日本のことNo Comments » 

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