「しょうこさんは意識的に休んだ方がいい」
最近、仕事のパフォーマンスがあがらないと相談していたら、友人からそう告げられた。
今年に入っていくつかの新しい仕事が始まり、すごく楽しくてやりがいがある一方で、未知の領域もあり日々とにかく必死な状態が続いていた。
いつもよりエネルギーを使っていたのだろう。
おそらく、疲労から最近の私は注意力が散漫で、長く集中できず、そのことで焦ってさらに集中できず、その結果、いつもより仕事に時間がかかって常にタスクに追われている。
必然的に睡眠時間が減り、食事も何を食べたかもよく分からない雑な状態になっていた。
そうこうしているうちに、頭に霞がかかっているような、モヤモヤした状態が続くようになってきて深く物事を考えることがさらに難しくなってきた。
頭痛も常にしている。
うん、どう考えても休んだ方がいい。
それなのに、その時に思っていたことは「どうやったらもっと働けるようになるか?」だった。
人間って不思議なもので、必死になっていると普段当たり前に見えているはずことが見えなくなる。
本来の問題点ではないところにスポットを当ててしまったり、トンチンカンな方向へ進めてしまったり・・・。
冒頭に書いた友人の言葉を聞くまで、わたしはあらぬ方向へ進んで悩んでいたようだ。
友人の言葉を受けた翌週、全てを「えいや!」と一旦わきに置き、丸一日休むことにした。
10時間以上眠り続け、起きると腰が痛いほどだった。
目覚めて、ゆっくり食事をして、洗濯をする。
空の様子や空気の温度を感じる。久々に頭の中がスッキリしていて頭痛もなくなっていた。
ああ、今回は倒れる前に生きて帰ってこれてよかったなぁ。
そんな風にしみじみと思った。
というのも、実は以前にも似たようなことがあったのだ。
20代の会社員時代、結婚した翌年に私は体を壊した。
その時は多忙さと慣れない新しい生活に妙な気合いというか、からまわりの頑張りで疲弊して身体のコンディションもおかしくなっていた。
きっとその時も、ちょっとした休憩をしていたらよかったのだろう。
目に見えておかしくなる前に誰かに助けを求めたらよかったのだろう。
しかし休む勇気が出ずにその状況を続けてしまい、異変に気付いた夫に「お願いだから休んで、大丈夫だから」と言われてやっと病院に行ったのち休職、半年の寝たきり状態に陥ることとなった。
この経験があったので、今回は自分の中で「もしかしたらあの時のパターンかな?」という気はしていた。
だけどなかなか休む勇気を出すって難しい。
それは責任感というようなことだけでは無くて、夢中になっていること、やりたい!という欲望からくる部分もあるのだと思う。
だから、日頃からスケジュールにちゃんと「休む日」を組み込んでおくこと、おかしいなぁと感じたら誰かに言ってみる、助けを求めることを忘れないでいることが大切なのだ。
「健康あっての人生」と予定キャンセルの相談の際にあたたかい言葉をかけてくれた優しい友人もいた。
本当にその通りだ。
大事なことを改めて思い出す機会となった。
休むって大事!!!
そして、チャンスの巡ってきた「いざ!」という時に踏ん張れる体力をしっかりと持っておくようにしよう。
そういえば、今年の初めに引いたおみくじに「運動することを惜しむな」って書いてあったわ。
(神様、半年スルーしててすみません・・・。後半はよく動きよく休みますので何卒!!)
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コンテンツディレクション、文筆。工芸、古典芸能など暮らしや日本文化に関することを中心に、講座やイベントの企画・ディレクション、取材・執筆をしています。和樂web(小学館)、サントリー、中川政七商店、NewsPicks NewSchoolなどでお仕事中。夜の散歩、のんびり美術鑑賞、お茶の時間、動物が好き。